オーダーメイドスーツ*
まさか、そんな機会に出くわすなんて想像もしていなかった。なんでも、私たちの先輩が入社した際に「スーツをつくってあげる」と取締役の人に言われたそうな。その後、いっこうに音沙汰がなかったという。そんな中で、先輩が「いつつくってくれるんですか?」と聞いたことで、それが実現した。
前例がある中で、私たちもその機会を得ることになった。まずは、生地選びからだ。沢山の生地の中から選ぶのだが、これがまた大変だった。一体、いつ着るスーツなのか、自身もよくわかっていない。用途がわからないのだから、難しい。やっとの思いで選んだのは、グレーの生地だった。よくみると、白地に沢山のドットが入っていて、それ故にグレーに見える。折角だから、量販店では出逢えないような生地にしようと思ったのだった。生地が決まると、次は、スーツの形を決める。ボタンの数や形、ポケット、そして、スカートの形と長さである。そして、それに合わせて、自身の寸法を測る。
今、書きながら思い出したこの作業。果たして、今着てみたら、どのようなことが起るのだろうか。男性ものと違って、然程流行り廃りはないだろうと過程しても、サイズが心配である。洋服棚に、カバーをかけて仕舞ってある、あのスーツ。
今度、着てみよっかな。しかし、それを着て一体どこへゆこう。
wacana*
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